Inside Meiji vol.3

【Inside Meiji】

第3回は、大阪朝鮮高級学校出身の2年生、金昂平選手と金勇哲選手です。

高校3年次の花園ではのベスト4という結果を残し、春シーズンでは2人揃って紫紺を着て試合に出場しました。
高校時代の話、明治大学に入学したきっかけ、そして秋シーズンの展望などを語ってもらったので、是非ご覧ください！

以下：金昂平→昂、金勇哲→勇
Ｑ．お互いの印象を教えてください。

昂：高校のときは1番言い合っていたかもしれないです。勇哲がキャプテンで、自分がチームのバックスリーダーでも、あまり真面目ではないタイプの人間なので。勇哲はキャプテンでチームを引っ張っていって、頑張ろうとしていました。自分たちの代はお調子者が多かったから、勇哲も大変だったと思います。高校の時の勇哲、ついてこい！というより、一緒に行こう！というような「ザ・キャプテン」という感じの良いキャプテンでした。大学に入ってからはまだ下級生なのであまりそういうのはないけれど、今の印象としてはやるときはやるアツいやつです。
勇：昂平は良くも悪くも影響力があって、ラグビーも日常生活でも昂平が何かをやろうと提案して、口が上手いから人を動かす力がある。もちろんそこに悪い部分もあるけれど、良い部分のほうが多くて。仲がいい子たちだけじゃなく、みんなで何かをしようと企画するのも昂平で、本人は意識してやっていないと思うけれど、同じ学年がグループで別れたりせずにみんな仲良くなっているのは、昂平が繋げている部分はあるんじゃないかなと思います。

Ｑ．大阪朝鮮は部活の仲は良かったですか。

勇：とても良かったです。今も、集まるのであればみんな呼びます。大阪に帰るときもみんなが集まります。
昂：みんなで夜ご飯を食べて、後輩も全員仲が良いから、合宿とかも凄いです。明治は合宿に行ってご飯を食べるときも割と静かなんですが、高校の時は宴みたいで（笑）本当に仲が良かったです。
勇：自分たちの学年は特別なのか、卒業して１，２年が経ったら高校の練習などには行かなくなるけれど、自分たちは夏や冬のオフになればみんなで集結します。後輩の卒部試合（一つ下の学年の）3年生が７人しかいなくて、人数を集めて自分たちも出ました。
昂：卒業生より自分たちOBが多い状況で一緒に試合出てやって（笑）
勇：だから、みんながこうやって集まったりするいい学年だと思います。
昂：仲がいいからこそ、それだけちゃんと言い合ってやっていたので。
勇：今も（朝高に）弟がいる子が夏休みの予定表を送ってきて、行けるときに行こうとやりとりをしていて。

Q.高校時代と明治では雰囲気の違いは感じますか。

昂：ラグビーをやるときはみんなアグレッシブにやるけれど、みんなが寮で一日中ずっと一緒にいるから仲が悪いとかではないけれど、いい意味でドライというか。でも、ラグビーの時はなんでも言い合っていて、高校の時とはまた違った雰囲気だなとは感じます。
勇：人によるし、学年にもよりますね。高校の時は人数が少なかったから、皆と喋っていました。明治は１００人ぐらい人がいるから皆が皆とは喋らないし、いろんな人がいるので、そういうところは全然違うなと思います。

Q.同じ学校から明治に行くことは心強かったですか。

勇：自分は昂平がいなかったら、たぶん明治に来てなかったと思います。
昂：そもそも自分が明治にずっと行きたくて、近畿大会で田中澄憲前監督が試合を見に来てくださったときに勇哲がすごく良かったので、勇哲にも声がかかって。
勇：明治に知っている人がいたから全然違いました。同学年も知り合いは山田歩季（２年・京都成章）くらいしかいなかったし、当時は特に仲良くはなかったですし。
昂：先輩もいないですし、ましてや朝鮮学校から来るということもあって、未知といえば未知だから、大分心強かったです。
勇：２つ上の学年に、いまの法政のキャプテンの従兄弟がいて、その人がいたので一緒にまたラグビーやりたいなと思っていて、ちょうど法政大学から声がかかっていたのでもともとは法政に行こうと思っていました。明治の卒業生の安昌豪選手のお父さんと自分の父が同級生で、そこからも話を聞いたり親と話したりもして、昂平もいるのでやはり明治に行くことに決めました。

昂：なので、勇哲が明治に行くと言ってきた時はとても喜びました。日本の学校と朝鮮学校を交互に行っていたから、進学するたびに一人も友達がいない状況でやっていて、大学に入るときに初めて友達と一緒に行けることになったので本当に嬉しかったです。
勇：自分は逆に小学校からずっと同じで、高校の時にバイスキャプテンだった子も幼稚園からずっと一緒でやってきた仲でした。なので、その中で自分一人だけが日本の学校に進学することは友達作りが苦手なこともあり、馴染めるか不安でしたが、昂平がいるからいいかなと思って。

Q.実際に明治に入って、寮生活に慣れるのは大変でしたか。

昂：高校では「先輩」「後輩」というのがあまりありませんでした。 朝鮮学校で、小学校からずっと一緒の学校にいるから皆が仲良くて、明治で「先輩」というのが初めてできたので、そこに慣れるのが大変でしたね。
勇：寮なので、楽しい時もだけれど、しんどい時もずっと一緒に友達といられることが一番助かります。一人だったらきついことでも、友達がいるところが寮のいいところかなと思います。

Ｑ．春シーズンを振り返ってみてどうですか。

昂：勇哲と一緒に紫紺を着て試合に出たときはとても嬉しかったです。
勇：昂平や他の同期たちが去年の春シーズンで試合に出ていて、同期がスタメンやリザーブで試合に出ることはとても嬉しかった半面、かなり悔しかったです。それで、まだ2回だけですが、今回紫紺を着られたことは本当に嬉しかったです。ですが、まだ全然足りないところは山ほどあります。
昂：嬉しかったことは勇哲と一緒に紫紺を着られたことくらいです。他は全部悔しかったです。２試合はスタメンで、３試合はリザーブで出場しましたが、自分でもまだまだだったと思うし、ここから夏・秋に向けてメンバーに入れるようにしたいです。去年は秋の試合に全く出ていないし、今年は出たい。だから、春を振り返ったら「悔しかった」というのが１番ですね。

Q.秋に向けての目標を教えてください。
勇：夏に向けて開幕戦で紫紺を着て、まずは試合に出続けたいです。
昂：試合に出てやっとだと思っています。試合に出て日本一を目指したりとか、対抗戦優勝したりとかを言いたいので、まずは試合に出てメンバーに入るところが一番です。自分たちの学年で、自分だけでなくて周りも一緒に巻き込んでやっていきたいとも思っています。