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特集:日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.10

2009/08/11

練習再開、菅平の夏合宿に突入!

選手たちの試験から、短い夏休みを終えて、八幡山グラウンドに全員が集まった8月8日の夕方。合宿前日のグラウンドでは、約束通り菅平の先発隊であるスコッドの最終選考となる測定が行われた。曇空の涼しげな夕方のグラウンドは、あっという間に熱気に包まれた。

「日本一を目指して再び始動する!」

午後5時、夕暮れが近づく八幡山のグラウンドに選手たちが集まってきた。この日は、菅平の合宿に向けて最終選考となるビープテストが行われる。すでに決まっているスコッドのメンバー34人に加えて、数名が先発隊として9日から菅平に出発する。「何としてもスコッドに加わりたい、菅平に行きたい」という思いが、集まった選手たちから伝わってきた。
「皆さん、久しぶりですね。約4週間、大学での試験をしっかり終えて、友人たちとの時間、家族との時間を有意義に過ごした顔を見て安心しました。今日からまた日本一を目指して頑張りましょう。すでに発表している34人のスコッドと今日の測定で成績を上げた人たちを加えた40人を連れて明日から合宿に出発します。しっかりとやってきたことをここで出してください」と吉田監督の挨拶から始まった。
ビープテストと呼ばれる測定は、ビープ音に合わせて10mラインから10mラインまでを走るという持久力のテスト。ビープ音の間隔は、回を重ねるごとに短くなってスピードが上がっていくというもので、4、5、6月にも実施している。この日は、自分の記録を塗り替えて自分に勝ち、ライバル同士が競い合う場でもあった。

「3組に分かれて、合図とともに走り出す」

4週間前よりも引き締まって見える選手たちが多いように感じた。髪を短く刈り込んで気合いを見せる者、走り込んだ脚が一目でわかる者、確実に一回り体を大きくしてきた者とそれぞれが約1カ月間、思い思いの練習をしっかりと積み上げてきたことがうかがえる。ストレッチをしっかりと終えて、まずはスコッドの選手たちがラインに並んだ。ビープ音とともに、一斉に10mラインを越えて走り出した。始めのうちは間隔もゆっくりに感じるビープ音は、400mを越え、どんどんとペースが上がっていくように感じられる。600mを越えて往復する回数もどんどん増えていく。選手たちの息づかいも徐々に上がっていく。
「シビアに判断します。コンディションが悪ければ置いていきます」とスタート前に話していた大川コーチから檄が飛ぶ。
「しっかり両足ラインを越えて。もしくは体のセンターをしっかり入れて」。
ターンのたびに、選手たちが噛み締めるように体を返す。
手前では、バックスの先頭を切ってキャプテンの金澤くんが黙々と走っている。司令塔側では、体の大きなフォワードの選手たちが、キツそうに、しかし着実に走っている。体の大きさはかなり負担になるはずだが、誰もが、もう1本、もう半本でも取りにいっていた。
2組目、3組目も同様に走る。グラウンドには、ビープ音と選手たちの息づかい、盛り上げる声だけが聞こえていた。

「妥協を許さない毎日が勝ちにつながる」

あたりがすっかり暗くなりはじめるまで、測定は続きそして終わった。
「お疲れさまでした。ここまでやってきた結果が出せた走りでした。今日の結果を見て先発メンバーをできるだけ早く発表します。また今日漏れた人たちもここで終わった訳ではないから、八幡山でしっかり練習して1週間後に合流しよう。妥協はしない、妥協は許さない。妥協している人はグラウンドを出て行ってもらう。みんなで日本一を目指そう」と吉田監督。
副将の西原くんは「しっかり1日1日のことをやっていかないと勝てない。当たり前のことも大切にやっていこう」と話し、主将の金澤くんが「オフはもう終わっている。別々に練習をすることになるが目標はひとつ。それぞれのルールを守ってしっかりやろう」と締めくくった。

8月8日の夜、ホワイトボードに先発のスコッドが掲出された。

FW
伊吹 誠介
榎 真生
鎌田 祐太郎
友永 恭平
堀江 恭佑
西原 忠佑
三村 勇飛丸
神田 佑樹
名嘉 翔伍
古屋 直樹
杉本 博昭
小野 慎介
鈴木 亮大郎
渡部 逸記
榮長 寛
竹内 健人
松浦 雄樹
楢山 直幸
野崎 友晴
笠原  卓

BK
金澤 章太
染山 茂範
山口 真澄
衞藤 陽介
川口 直哉
田村 優
下村 真太朗
大澤 良介
石井 彰太郎
居迫 雄大
安部 亮佑
秦 一平
溝口 裕哉
猿楽 直希
呉 基烈
黒岩 洋一
石丸 剛也
木村 圭吾
斉藤 春樹
津久井 信介

2009年夏、菅平の合宿と八幡山の練習はこうして始まった。

(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)