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特集:日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.8

2009/07/31


「夏の八幡山合宿所」

7月も終わりだというのにはっきりしない天気が続いている。八幡山合宿所では試験期間を終えた選手たちの短い夏休みと自主トレの日々が送られているはずだ。8月の菅平での合宿に向けて準備をする選手たち、その前に行われる測定に備えて自主トレに力の入るスコッド外の選手たち。八幡山合宿所でも、それぞれの過ごし方があるようだ。

「夕暮れのグラウンドでフィットに汗を流す」

7月の天気のよい日の夕方から行われたフィットネスは、大川コーチの指導によるランニングメニューがベースだった。春から「走る」メニューが多く取り入れられているがこの日も昼間の暑さが少し和らいだグラウンドに選手たちが集まり始めた。試験時期に入ったこともあり、学校から戻っていない選手も多く、比較的少人数の練習となった。副将の西原くんが、黙々とランニングを続けている。タッチラインからデッドボールラインへと同じラインをトレースしながら走り続けていた。ゴールラインには、他の選手たちがきれいに並び合図とともに飛び出して行く。見る見るうちに汗が噴き出していく。
「とにかく練習をいいかげんにやらないこと。局面局面できちんとやることが大事。走りの量は、僕が来てから2~3倍に増やしています。監督も選手たちの走り1歩1歩、全部を見ています。ラインからラインまで、決められたところをきっちり走って全力を出しきる。これがこれからの結果につながっていく」と大川コーチは言う。こうした1つ1つの質を求めた練習が秋のシーズンにつながることになるのだろう。少しずつ日が傾き始めるなか、練習はパスから8対8のパス&タッチへと移っていく。人数が少なかったこの日、黒須コーチ、土橋コーチ、吉田監督らも練習に加わった。リラックスした雰囲気の中、時間を惜しむかのように日暮れまで続いていた。

「選手たちが生活する八幡山合宿所」

この日の夜、選手たちの生活の場でもある合宿所の中を案内してもらった。練習終了後に大学から戻った梶岡くんが、ガイドとして解説してくれた。
「合宿所では1部屋4人で生活しています。構成は1、2、3、4年生が一人ずつの4人になります。ベッドは2段ベッドが2つあって、3・4年生が下段、1・2年生が上段という感じです。ピラニアも飼ってるんですよ」とテレビのラックの下の水槽を見せてくれた。ちなみに横に並んでいる水槽にはガーという肉食魚。思ったよりも片付いた部屋である。テレビやオーディオも揃っている。先輩から受け継いだモノも多いのだと言う。サッカーのレアルのユニホームを着ていることを突っ込まれると、サインの説明もしてくれた。
「これは明治大学出身のサッカー選手、長友さんのサインです。ファンなんですよ。たまたまお会いしたときにお願いしてサインをいただきました。あ、その寄せ書きのあるラグビーボールは、外国人コーチがいらしたときにみんなで書いたものなんですが、そのコーチが忘れていってしまって僕が持ってます」。夜はソファのまわりに集まってみんなでテレビを見ることも。机の上もきれいに片付いていた。102号室の梶岡くんの部屋を出て、101号室の津久井くんの部屋をのぞくと何やらバリ風のお面がかかっていた。104号室の伊吹くんの部屋もなかなかきれいだ。書棚にはお父さんから送られたという本が置かれていた。1階には監督たちの部屋もあるので、比較的きれいなのだという。階段下に置かれたマシンを漕ぎ続ける選手を後に2階に行ってみた。確かに階を上がるごとに開放的になっているようだ。部屋ごとにまとめられた洗濯物は、ランドリーで洗濯することになっているのだという。2階のトレーニングルームで汗を流す者あり、部屋で寛ぐ者あり、机に向かう者ありで合宿所の夜は更けていく。部屋の入れ替えは半年に1回、同じメンバーにならないように行われるのだという。まだまだのぞいてみたいところが満載の合宿所探訪だった。

(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)