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特集:日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.2

2009/06/17

「接戦を制し、慶應義塾大学に勝つ!」
前日の八幡山グラウンドでB、C、Dが慶應に接戦で競り勝った余韻も残るなか、静岡県の草薙球技場で行われた慶應義塾大学との一戦。
否応無しに両チームともに「負けられない一戦」というムードが高まっていた。気合い十分の選手たちがグラウンドに姿を現した。
静岡県営草薙球技場 招待試合

2009年6月14日 14:00キックオフ
試合結果 ○明治大学24-21慶応義塾大学

「接戦必至の慶應戦、立ち上がりにトライ!」

雲はあるものの梅雨の晴天に恵まれた草薙球技場でアップを終えた選手たちが、試合に臨む。「負けられない状況でどう頑張れるか。接戦になると思います。慶應は非常に仕上がりが早いです」と西原ヘッドコーチ。相手のコンディションを見据えながら、ゲームの立ち上がりをシミュレーションしているようだった。

キックオフとともに激しく競り合う両チーム。「今日は負けられない」という気持ちがぶつかり合っている。15田村のタックルが試合の流れを切る。4分、パスをつなぎながら展開し、真ん中から13衛藤が一対一を競り勝ってトライを決めた。歓声が上がるなか、ゴールも決まり7-0と先取点を上げ、主導権をつかむべく押していく。ドライビングモールも押しては、止められを繰り返す。

「このあと、得点を重ねることができるのか」

しかし慶應も強く当たってくる。スクラムではしばしば押される場面もあった。20分にウォーターブレイクをはさみ、その後も一進一退の攻防が続いた。なんとしても追加点が欲しいところだ。33分、左サイドから攻め上がり、スクラムからアドバンテージを活かして4鎌田がトライ。ゴールを決めて14-0とリードする。35分、8三村に代わり19千布が入る。終了間際に、15田村のキックからチャンスを作り7西原が押し込んでトライ。ゴールも決まり前半を21-0とリードして折り返した。押される場面もあった前半だったが、集中して攻めを得点に結びつけることができた。

「明治の選手たちのコンディションは如何に」

この日の試合を前に「慶應はこの時期にだいぶ整備されたチームという印象があります。精神的にも強いチームだと思います。明治は100%の力を出しきって、慶應の気持ちを受けるだけでなく、跳ね返すような強いメンタリティで臨みたい」と吉田監督。この日の接戦の予測は、その辺りから来ているのかもしれない。明治の選手たちもコンディションはいいように見える。大川ヘッド・ストレングス&コンディショニングコーチは「選手たちの仕上がりはいいです。でもいまはオープン戦の時期、シーズンに入り12月に最もいい状態にあるためには、いまの時期の体の作り方があります。ウエイトの重さを増やすよりも、自分の重さで筋力をアップしていくように。これから夏にかけて怪我のないように鍛えていかなくてはならない」と話している。その時期のコンディションで試合に勝つという状況を知り、応援に熱が入る思いだ。

「後半に臨む明治、勝負は一対一にある」

ロッカールームからグラウンドに向かう廊下に吉田監督の声が響く。「一対一、局面にこだわれ!」と一人一人に伝えていく。後半開始早々、猛然と押して来る慶應。ハーフタイムにロッカールームの外の壁を叩いて悔しがっていた慶應選手の気持ちを乗せたような、集中したプレーが続く。6分、右サイドから攻められてついに1つ目のトライを返された。ゴールも決められて21-7となる。

14居追に代わり21猿楽が入る。10分あたりから、慶應に再三押し込まれるシーンが目につく。左サイドからスクラムで押され、攻められるのを粘って防ぐ状況が続いた。16分に3神田に代わり17榎が入る。20分に慶應のオフサイドからチャンスを作り、攻めに攻めるがなかなか押しきれない状況に、ペナルティーゴールのチャンスを得て、これを決め24-7とした。この判断が、勝敗を分けることになる。

「攻め込まれながらも粘って守り抜いた一戦」

後半30分、攻め込まれながらもボールを奪い、敵陣に蹴りだすがわずかに浅かった。センターから左に展開されトライを奪われた。ゴールも決まり、24-14と迫られる。このあとも右サイドに攻め込まれながらも、よくディフェンスし試合時間が一分、また一分と過ぎていった。終了間際にスクラムからトライを奪われ、24-21となるが、ここでノーサイドとなり、接戦を制したのだった。

「この接戦をものにしたのはデカイ。勝ってなんぼ。スクラムで押されたが、勝つことは大事だ。秋にはスクラムで勝てるようになろう」と黒須コーチはいう。「ラインアウトが取れなくて、スクラムで押されて勝った試合。修正点は見えている」と土橋コーチも続いた。西原ヘッドコーチもチームの勝利をたたえ「まだまだ伸びる可能性が、たくさんある。夏の合宿にいい課題をもらった」とポテンシャルを示した。吉田監督が「次は早稲田だ。春の段階で勝とう」と締めくくった。

「緊迫した試合を終えたグランドで」

試合を終えた金澤章太主将は、笑みをこぼすこともなく引き締まった表情でロッカールームへ向かう。「前回の課題だったはずの後半の入りが悪かった。自分たちのペースをつかむためにもうちょっと強く行きたいです。あとはセットプレーが今後の課題となりました。一対一も受けにまわると持っていかれてしまう。今日もいくつかの場面であったので、次回はなくしたい」と語った。試合前に「何よりも接戦、混戦が予想される試合、固まりの中でしっかり自分の仕事を行うことが勝負を決するポイントになります」と話していた吉田監督に今日の試合を聞いた。

「勝ちにこだわって臨んだ試合だった。昨年負けている相手にスコアで勝ったことは大きい。振り返れば前半3-0、後半0-3、ペナルティーゴールで勝ったのは紛れもない事実。スコアで争うのだから、こうした執着は大事なところ。後半取られた3つのトライは、いまの明治に足りないものが露呈したということです。まさにゲームに教えてもらっている。前半の1つ目のトライは、一対一を制して走り込む、コンタクトが多い中で出せた結果です。一対一にこだわり、しっかりと前に出て行けることが大事。80分攻めて完勝できるチームを目指したい」と語った。来週の早稲田戦が待ち遠しくも思える意気込みだった。


(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)

関連試合

2009-06-14 慶應義塾大学 ○ 24-21 ●