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特集2011:筑波に敗戦!

2011/12/27

日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.86
筑波に敗戦!
午前中は雪がちらつき底冷えのする名古屋の瑞穂ラグビー場、第一試合の明治対筑波に続き、第二試合に天理対慶應というカードを控え、会場には多くの人が詰めかけていた。東海大を僅差で打ち破っている筑波は、強さに加えて接戦を制した経験から、さらに精神的なタフさが加わっているはずだ。勝ちに執着したチームが勝利を掴むであろうゲームが12時にキックオフを迎えた。
第48回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 2回戦
2011.12.25 名古屋・瑞穂ラグビー場
明治大 vs. 筑波大
●9—11○
前半 後半 得点 前半 後半
0 0 T 1 0
0 0 G 0 0
3 0 PG 1 1
0 0 DG 0 0
9 0 8 3
9 合計 11

勝敗を分けた1トライ!

 試合開始直前まで、雪が舞っていた瑞穂ラグビー場。体感では、今シーズン一番の寒いグラウンド・コンディションである。寒く、風がやや強いことをのぞけば、状況は良好だ。8堀江、9秦らもスタメンに名を連ねている。12時になり、筑波のキックオフで試合が始まった。風上に陣取る明治は、その優位を活かして敵陣でゲームを支配したいところだ。対抗戦でも失点の少ない筑波は、屈指のディフェンス力と強い接点を持つチームと認識すべきだろう。開始早々、激しい当たりが続いている。後に筑波の中川キャプテンが語っているが、筑波の唯一の弱点があるとすれば、ギリギリで挑むがためのペナルティだ。前半7つのペナルティにより、明治は何度となく得点のチャンスを得ている。前半9分、攻める明治に対して筑波はノットロールアウエイのペナルティでFKを与え、PGを狙った10染山がこれを決めて3−0と先制した。30分、36分にも同様にPGを決めた明治だが、この日の試合を決定したのは、23分に、筑波のラインアウトから、1中川、2彦坂(圭)とわたり、ゴールラインを突破されたトライに尽きるだろう。得点こそは、9−8とリードして前半を終えたが、このトライが筑波の後半のモチベーションにつながったように思えた。


ディフェンスの真っ向勝負!

 チーム力の拮抗した試合となった後半、風上に立った筑波に明治が押され始める。それは風だけではなく、全体にプレッシャーがかかり出したようだった。明治ボールのスクラムからのボールがうまくつながっていかない。逆に筑波は、キック・チェイスやパスプレーが、ノックオンやスローフォワードになってはいるもののペースを掴みかけていた。中盤を過ぎた24分、明治のオフサイドから筑波10松下がPGを決めてついに9−11とリードを奪い、さらに勢いづいた。この後は、押され気味の明治が攻めに精彩を欠き、防戦にまわることになる。ワンチャンスでひっくり返せる得点圏にありながら、筑波のFW陣を撃破できないでいた。逆に、ゾーンに入ったともいえる動きの筑波FWは、10染山のキックに猛烈にチャージして、地域挽回を阻止している。28分、34分と絶体絶命のピンチに、執念のディフェンスと筑波のミスで得点を重ねる場面はなかったが、明治は万策尽きたように自陣から大きく出ることなくゲームを終えた。しかし、最後まで、奇をてらうことなく徹底した真っ向勝負でぶつかった。勝敗を分けたのは、やはり前半に失った1本のトライに尽きるかもしれない。


精一杯戦ってくれた

 記者会見の吉田監督のコメントは短かった。「選手たちは精一杯戦いました。前半にトライされたのがすべてです」。しかし、それはすべてを言い表わすのに十分な答えだったと思う。相手を2トライ以下に抑え込めれば、必ず勝機を見出せるという目標を掲げて戦ってきた今シーズンは、競ったゲームで勝利を掴むことを目指して走ってきたシーズンでもあった。ディフェンス力に定評のある今シーズンの筑波と戦えば、自ずと1トライの攻防は見えていただろう。また、最後は勝ちたいという気持ちの強い方が勝つゲームになるという予見は、吉田監督が話していたことだった。その強さを生み出したのが、1つのトライであったことは、このトライに絡んだ筑波・中川キャプテンの「絶対に勝つという思いだけでやってきました」というコメントからもうかがえる。ゴールラインを割らせないという自負と1つのトライを奪った自信が、ほんの僅かな気持ちの差となって現れたのではないだろうか。「いままでやってきたことが出せなかった。それがすべてだと思います」と語った主将の溝口も悔しさを噛み締めながら、勝負のアヤを垣間見たのではないだろうか。早明慶が姿を消した2回戦が終わり、年明けに大学選手権は準決勝を迎える。

(撮影/福田喜一 取材・文/遠藤一樹)