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吉田義人監督インタビュー「春のシーズンを終えて」(後編)

2010/07/29


 帝京戦を前に、連戦での故障者、怪我人が出ていたのも事実。当然、主力選手たちも多く含まれていた。そこまでして、この時期に会得しなくてはならないものとは、何だったのだろうか。
「強烈に威圧感のある強いフォワードを作り上げたい。そのためには、毎日、全力で直向きに実直に確実にそして、地道に練習に取り組む姿勢が求められます。何よりも、実戦でしか身に付かない部分も多い。そして対戦相手だけではなく、試合に出ることのできるメンバーとなるための部内での競争意識。それらを総合的に見ても多くの試合が必要でした。そして何よりも勝ちにこだわる意識は培いたかったところです。日本一になるために欠かせないことです」と吉田監督。
 大学日本一になりたい、という目標はブレることなく選手たちと共有されている。何よりも試合のたびに主将の杉本から全員に伝えられていた「俺たちは選ばれてこの試合にでることができる。出られないヤツらのことも考えて思い切り力を出しきろう。俺たちが代表なんだから」という言葉に現れている。
 春のシーズンで唯一の敗戦となった帝京との一戦を吉田監督が語る。「さすがに王者です。真っ向勝負で挑んで勝てなかった。力勝負では帝京大学の方が一枚上手でした。しかし、勝算も見出すことのできた一戦でした」。
 選手たちが敗北から学ぶことのできた有意義な敗戦だったのだという。確かに、昨年の完敗からの苦手意識というよりも、敗戦の悔しさ、自分たちに足りていないものを確認した一戦だったかもしれない。Aチームは、この一戦の後、同志社と戦って勝利して春の試合を終えた。
 7月末となり、シーズンは目の前に迫って来ている。今年の夏合宿はどのような予定になっているのだろうか。
「今年は夏合宿のことを考え準備する時間がありました。充実したスケジュールが組めたと思っています。明治大学創立130周年記念に向けての大学側からのサポートもあり、フォワード陣はニュージーランド合宿(ワイカト)を行います。主将の杉本をはじめとするフォワードの選手たちの強化を目的に世界ランキング1位である強国の選手達と一緒に練習させてもらいます。ここで得るものは大きいと思います。非常に期待しています」。
 もちろん、バックスの選手たちも参加したいところだが、今シーズンのフォワード強化という目標を掲げているチームにとって、限られた予算の選択であったことはいうまでもない。しかし、フォワード陣が帰国すれば、バックス陣も合流して全部員が北海道に移り、この夏の合宿がスタートするのだ。
「7月の時期にセルフコンディションをどれくらいキープしてきたか、選手たちが問われる合宿になります。フィジカル、スキルアップはもちろんですが、シーズンに向けての選考合宿となります」。
 北海道でもいくつかの練習試合が組まれるが、何よりも部内の競争力を高めるのが大事なのだという。シーズン前に競い合って、勝っても負けても相手をリスペクトできる関係を育んでいきたいという監督の意向がそこには見える。シーズンに入る前にチームの絆をしっかりと固めることになるのだろう。
 北海道でのセレクションマッチを終えた後は、菅平に入って仕上げの練習試合を行いシーズンに備えることになる。
「今年はすでに選手たち全員が切磋琢磨して9月12日に向かっています。今年のシーズンがいまから楽しみです」と吉田監督。
 いうまでもなく、各チームが開幕に向けて万全の体制で仕上げてくる時期に、明治も充分な手応えと策を持って突入した。再び合宿からその様子はお届けしたい。



(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)