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吉田義人監督インタビュー「春のシーズンを終えて」(前編)

2010/07/21


 6月末の同志社大学戦、7月に入っての早稲田大学との新人戦で春シーズンの全試合を終えた。Aチームは、10戦して9勝1敗の戦績を残した。B、C、Dチームの試合も入れれば30試合を数えることになる。
 春のシーズンを前にした吉田監督は次のように話していた。「新しい4年生が中心となり、主将・副将が模範を示しながらチームを引っ張り、我々が精力的な指導を続けながら舵をとり、チームをまとめ、秋のシーズンに臨むわけですが、大学生の公式戦は、試合数に限りがあります。どちらかと言えば、少ないと思っています。ラグビーは、実戦を通じ肌身で感じることで、選手達が成長し続ける。実践は、成長するために必要不可欠な最大の要因と思っています。この春は、多くの練習試合、招待試合を組んで春のシーズンでの目標を持ったチーム作りを行います」。
 その言葉の通り、強いフォワード、1対1、ディフェンス、そして勝ちにこだわったチームは、この春の時期に9勝1敗という成績を残し、よい流れと結果を出している。吉田監督は、杉本主将、衛藤副将の2人が選手達を良く引っ張り、まとめた結果だと話している。実際に4年生を中心にピリッとしまった印象のチームになっている。そして、ゴールデンウイーク明けからの早朝練習もメリットを生んだようだ。
「朝早くからの練習は、授業に出席する選手たちの練習時間を確保するために始めたのですが、何よりも選手たちが時間を有意義に使えています。そして、もうひとつのメリットは、早く寝て、早く起きる、アスリートとしての生活リズムが作られてきたことにあります」と吉田監督。このことは、僅かな出来事のようだが、選手たちにとっては大きな変化となった。
 吉田監督は春の試合を振り返る。「長崎のゲームは、杉本主将・衛藤副将がリーダーとなって、チームとして最初に紫紺を着た試合です。トップリーグで活躍する選手たちの当たりの厳しさ、激しさにぶつかることができたのは非常に良い経験になりました。春のシーズンの前から取り組んできた接点の強化、ブレイクダウンでの攻防がしっかりと身に付き始めたことを示す試合となりました。試合をひっくり返して勝てたことも大きいですね」。
 長崎での合宿の夜、吉田監督は、4年生、3年生をそれぞれ集めて「スタートの合宿、大事だよ」と話していた。3年生には「4年生をしっかりサポートして、頼りにされるようになっていこう」、4年生には「頼られる立場に自覚を持って、率先垂範で取り組んでいこう」と伝えていたという。ここから春の連勝が始まっていた。
 立教、中央、大東文化には大きく得点差をつけて勝利した。法政との上位チームにも勝利し、早稲田との競ったゲームにしっかりと勝つことができた。春の試合で早稲田に勝つのは実に久しぶりのことだった。
「関東学院との試合では、1対1の精度へのこだわり、フォワード強化が非常にうまく進んでいることを再認識することができました。何より、ほぼ、80分間、フォワードが主導権を握れていました。ディフェンスからトライを取るシーンもありましたが、それも目指して来たことのひとつ。ディフェンス力が上がってきたことがはっきりとわかる試合でした。昨年から取り組んで来たワイドに展開するラグビーにプラスして、躍動感のあるゲーム内容で、今年のカラーがしっかり出てきた一戦でした」と吉田監督は話す。
 東海大との試合でも、関東学院戦で掴んだディフェンス力を発揮して、結果を出した一戦となった。このときすでに吉田監督は、次の帝京戦に意識が動いていたようだ。(後編に続く)


(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)