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特集2010:「関東学院に快勝する!」
2010/06/09
日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.40
「関東学院に快勝する!」
6月6日、朝の新千歳空港は少しひんやりとする気候だったが、試合が近づく昼頃には晴天の月寒野外競技場はすっかり気温が上がり、汗ばむくらいの暖かさとなった。北海道ラグビーフットボール協会招待試合の関東学院大学との一戦が、13時にキックオフを迎えた。







「紫紺の壁を作れ!」
試合前のウォーミングアップを終えて、紫紺を着る選手たちの表情が引き締まる試合前のロッカールーム。この日はスタメンに1年生の2圓生(まるみ)を起用、7堀江や14斎藤らも戻ってきた。毎週続く、春の連戦は怪我で欠場する選手もいるが、怪我が治ってカムバックする選手も多い。U20から戻ってきた選手たちもいる。試合直前のミーティングで細谷ヘッドが前半の戦い方を話した後、吉田監督が声をかける。「1対1、ディフェンスを意識していこう。紫紺、紫紺のプライドだよ。壁を作るんだ。紫紺の壁を作れ! すべての局面でスピード、ストロング、シンプルにいこう」。選手たちは、8杉本のかけ声とともにロッカーを飛び出してグラウンドへと向かった。監督が言った「紫紺の壁を作ること」は、試合における大きなテーマであり、この春の目標と言って過言ではないだろう。今年やろうとしている明治のラグビーの象徴でもある。入場では同じくらいか、明治の方がやや大きく思えたFWは平均体重で見ると明治96㎏に対して関東学院101㎏と重さでは関東学院が勝っていた。試合開始のホイッスルが鳴った。風上から攻める明治は、開始3分の敵陣でのラインアウトからモールを押しドライビングして、6三村がトライして5-0と先制する。その後は関学陣内での攻防が目立ったが、17分、明治の反則から関東学院のラインアウトとなり、モールから5後藤にトライを奪われゴールも決まり、5-7と逆転された。




「得点につながるディフェンス」
逆転されてもチームに焦りはなく、ディフェンスをより強固にして試合に臨んでいた。24分、関東学院のスクラムからボールを奪い9秦、8杉本、11小澤とそれぞれ長いパスをつないで大きくサイドに展開して一気にトライを奪う。10染山がゴールを決め、12-7と再びリードした。上空の風が影響しているのか、キックの落下点を見誤ってのキャッチミスがあった。パスの乱れもいくつかあったが、そんなときも後ろをしっかりフォローする選手がいた。28分には、味方のパスがこぼれたところをフォローしていた15小泉がうまくキャッチして一気にインゴールまで駆け抜けトライ、10染山がゴールも決めて19-7とした。守っては6三村の低く鋭いタックルと二番手の素早いプレッシャーで相手のノットリリースザボールやオフサイドを誘う。35分には、敵陣での明治ラインアウトからモールを作ってドライビングして最後は8杉本がトライし、ゴールも決めて26-7。39分、ディフェンスから3城が強いプレッシャーでボールを奪い、6三村がこのボールを活かしてトライ、10染山がゴールを決めて33-7で前半を終えた。前半20分過ぎからのディフェンスは圧巻だった。強いFW、前へ出るディフェンスが、相手が攻められない状況を作っていた。ハーフタイムの選手たちの表情は明るい。後半開始前、吉田監督から声がかかる。「後半にやるべきことは2つ。接点を、もっと強く激しくしていこう。マイボールはコミュニケーションを活発に行い継続し続けること。前半の終盤で表現できたディフェンス。あれが我々の目指している紫紺の壁だ。あのディフェンスだよ。我々のやりたいディフェンスのラグビーだ。紫紺の壁からターンオーバーして攻めていこう。徹底的にいくぞ」。その声が選手たちをグラウンドに押し出していった。



「強い守りから攻める」
後半に入っても、勢いは前半のまま明治にあった。「関東学院は乗せたら恐いチームだ」と主将の杉本が選手たちに話していた。先シーズンの大学選手権では帝京と五分に渡り合った実力を持っているのだ。プレスの利いたディフェンスが徹底して関東学院のオフェンスに襲いかかる。4分、14斎藤がトライを決めてスタンドが沸いた。守りから攻めに転じた後のBKのパスもよく回っている。得点は38-7となった。11分、2圓生に替わって16渡部が入る。その後、3城、7堀江に替わって17榎、19千布が入ってくる。明治は確実にプレッシャーを与えながらゲームを進めていた。18分、関学のオフサイドから明治ボールのスクラムとなった。2度目のスクラムからドライビングして8杉本がトライを決め、10染山がゴールを成功させて45-7とした。さらに13大澤に替わり21猿楽が入り、27分には4古屋に替わって18梁が入る。28分、明治はここまで押さえ込んできた関東学院に攻め込まれていた。キック&チェイスから後半1つ目のトライとゴールを奪われ、45-14に。32分、9秦、14斎藤に替えて20田川、22木村が入っている。その直後、さらに1トライを奪われ45-19となったところで、ノーサイドを迎えた。圧倒的なディフェンス力を見せながらも、まだまだ修正点はある様子だ。試合を終えてグラウンドに降りた吉田監督は杉本主将と握手して、ディフェンスの修正点について短く言葉を交わしている。大川コーチがゆっくりとクールダウンを終える。札幌の地での記念撮影を終えて、チームは小さく集まった。吉田監督が選手たちに声をかけた。「お疲れさまでした。関東学院に真っ向から戦いに臨んで勝利したことは一つの成果だ。次の相手は東海大学だ。東海戦も今日のように随所で出た前に出るディフェンスを続けられるようにチャレンジしていこう。アタックの精度ももっと上げていこう。春のシーズンの階段は確実に上ってきている」と話した。監督の話が終わるのを待って地元のファンの人たちがサインに、写真にとやってきた。選手も監督も時間の許す限り、フラッグにサインをして、ファンの人たちと写真を撮っていた。試合後の楽しいひとときとなった。土曜日の東海大学との試合は、春の連戦の更なる成果を見ることができる一戦になるだろう。




(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)
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