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特集2010:「早稲田に勝つ!」

2010/06/02

日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.39
「早稲田に勝つ!」




5月30日、静岡県営草薙球技場で行われた2010静岡県ラグビーフェスティバルで、早稲田大学と対戦。両チームとも、日本代表、U20に選手を送り出している中での対戦となったが、やることに変わりはない。やや風はあるものの、晴天に恵まれた草薙球技場で伝統の一戦が繰り広げられた。



 2010静岡県ラグビーフェスティバル
明治 vs. 早稲田
○ 45- 33●
2010.05.30 静岡県 県営草薙球技場



「思い切り行こう、絶対だ」

 主将杉本の声がロッカールームに響く。試合前の細谷ヘッドコーチ、吉田監督の檄に続いて、杉本が選手たちに「赤黒のジャージが見えたら、思い切り行くぞ、絶対だ。俺たちは、選ばれて試合に出ることができる。試合に出られない選手たちのためにも力を出しきろう」と話している。早稲田との対戦を楽しみにしていたような雰囲気が伝わってくる。決して気負っている感じはない。
 試合時間を迎えて、選手たちがフィールドへと走り出していった。早稲田のキックオフでゲームが始まった。強い風を活かして相手陣内に素早く攻め上がりたい明治と何とか自陣の浅いところから明治陣内で戦いたい早稲田の空中戦が続いた立ち上がり。「前半は風上だ。時間をかけずに相手陣内に攻め込んでプレーしよう。キックチェイス、チェイサー大事です」という細谷ヘッドの指示が思い出された。エリアのやり取りが続いていた9分、13衛藤が足を負傷して22小澤と替わる。この直後の早稲田のアタックは11小泉のディフェンスでトライを阻止している。11分、早稲田は中央のラックからこぼれたボールを右に展開し、最後は早稲田6土屋がインゴールに持ち込みトライ。0-5と先行された。攻撃に転じた19分、早稲田陣内22mライン付近でラックから出たボールが10田村を経由して6千布へ。そのままディフェンスをかわしてトライを奪い、ゴールも決まり7-5と逆転した。しかし22分に、ペナルティからクイックスタートでトライとゴールを奪われて7-12と再びリードされる。40分、早稲田ボールのラインアウトでボールが後ろに抜けたところを7三村が取ってそのままトライ。ゴールも決まり14-12。ロスタイムに入った43分、得意のモールで20mほど押し込み、ラックになったところで右に展開し、14木村がトライし、10田村がゴールを決めて21-12でハーフタイムとなった。





「スコアを考えるな、0-0からだ」

 細谷ヘッドからは「リロードが少し遅い、キツいかもしれないけれどリロード速く」と声が飛ぶ。吉田監督は「スコアは考えるな、0-0。ここから40分勝負していこう。先ずは、ディフェンスを固める。1対1にもっとこだわること。1人目がしっかり相手をしとめる。2人目はもっとしつこく。オフェンスは、小さなギャップを見逃すな。そこを突いていけ。テンポを上げて行こう」と指示している。前半の強い風が、後半はややおさまってきたようにも感じる。
 明治ボールのスクラムが続く後半の立ち上がり、FWが前半にも増して圧力をかけていく。7分、反則が続いた早稲田6土屋がシンビンを取られて退場する。9分には明治ボールのスクラムから押し切って8杉本がトライを決めた。
ゴールも成功し28-12とした。しかし早稲田も12分に15井口が自らのショートパントをキャッチしてトライを返し、ゴールも決めて28-19とした。これに奮起した明治は、16分に敵陣22mライン付近からモールで押し込み8杉本がトライし、33-19。さらに27分には、自陣でのこぼれ球を拾った22小澤が70mを走りきりトライを挙げた。ゴールも決まり40-19と差を広げた。39分に早稲田が早いスタートからトライとゴールを返して40-26とするが、44分にはプレスの効いたディフェンスから早稲田のファンブルボールを10田村が奪いトライ、45-26とした。最後は47分に早稲田がトライとゴールを返し、45-33でノーサイドとなった。昨年破れている早稲田に勝利した。


「怪我は恐くない」

 前半に足を負傷した13衛藤の言葉である。この日は前半の早い時間から衛藤が不在となった。替わって入った小澤やBK陣も頑張ったが、衛藤が精神的にチームを支える部分は大きい。試合後に声をかけると「大丈夫です。普段からキツい練習を積んでいるので、怪我は恐くありません。それにチームは底上げができてきています」と衛藤は話した。副将らしい一言だと感じた。
 吉田監督は最後に選手たちを集めて「まずおめでとう。早稲田戦に勝利することができたのは、杉本、衛藤がチームを引っ張ってきた結果だ。但し、ディフェンスにおいては、反省すべき点も多々あった。12月の第一週に早稲田と対戦する時には、もっと差を広げられるように質の高い練習を積んでいこう。そして完勝しよう。紫紺のプライドをかけて徹底的にチャレンジしていく」と話している。勝敗だけにこだわる時期ではないかもしれないが、早稲田に勝ったことは、チームに勝利を刷り込んでいくことにつながっていくはずだ。週末には札幌・月寒ラグビー場での関東学院との一戦が待っている。



(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)