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特集2010:「中央大学戦を制する」
2010/05/12
日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.36
「中央大学戦を制する」




「さらなるパフォーマンスを」
中央大学グラウンドは、気持ちのいい春の晴天に恵まれていた。この日は、Aチームに続いてBチームと2つの試合が組まれていた。午後1時45分、選手たちのアップが開始される。暖かな気候だが、念入りにストレッチしながら身体を暖めていく。すっかり汗が滲んできたところで、細谷ヘッドコーチが選手たちを集めて「いい入りでいこう。相手は受けてこないよ。こちらから当てていこう。アップからしっかり上げていこう。40分しかない選手は最初っからいかないと。アップの状態のままいくよ」と短く話した。この日は練習試合ということもあり、Aチームはリザーブに10人、Bチームは9人とそれぞれ多めにスタンバイして前半後半で入れ替わる準備がされていた。ハーフのみ出場する選手たちも多く、限られた時間の中でパフォーマンスを発揮しなくてはならない。後半になってから調子が出てきたというのでは間に合わないのだ。
アップはギリギリまで続けられ3分前にジャージに着替えた選手たちが自陣に集合してサークルを作った。「これは本番だ。始めのうちに今年の明治は当たりが強いことを教えよう」と細谷ヘッドが声をかける。「コンタクトをしっかりしかけて、アプローチしたところは接点で激しく行ってしとめよう」と短く檄を飛ばして選手たちを送り出した。




「強く、そして激しく前へ」
「練習試合じゃない、これは本番だ」とNo.8杉本キャプテンも声をかけ気合いを入れ、グラウンドに選手たちが走り出した。ゲームは、中央大学のキックでスタートした。序盤からフォワードが強いプレッシャーをかけていく。押され気味にスタートした中央大陣内でのオフサイドから明治ボールのスクラムとなり、スクラムからモールのまま相手を押し切って最後は8杉本がトライ。10田村のゴールも決まり7-0と先制する。その後もフォワードのプレッシャーが効いたゲーム展開となった。特にスクラムではしばしば相手を圧倒する場面が見られた。18分には、バックスに入っていた11富川から7三村へのパスがきれいにつながりトライとゴールを奪う。14-0とした後も、攻め続けて25分過ぎに15小泉からボールをもらった14小澤が相手ディフェンスの間を一気に駆け抜けてトライ、10田村のゴールも決まり21-0と突き放した。しかし29分過ぎ、明治陣内の中央ラインアウトのプレーからスクラムを押されて1本トライを返され21-5となった。ここで流れを奪われることなく再びフォワードが前へ出ていく。32分過ぎ、5友永がパスを受け取りインゴールにトライを決める。26-5とした後も、ピンチをフォワードが潰して攻撃に転じる。37分、10田村から13衛藤につなぎ大きくゲインしたボールを15小泉から6千布につないで、千布が一気に右サイドを駆け上がりトライを決め31-5とした。ロスタイムに自陣でキックをブロックされたところからペナルティ後のプレーでトライ&ゴールを返され31-12で前半を終えた。




「強い当たりを身体に覚えさせる」
ハーフタイムは、フォワード、バックスに分かれて情報交換が行われた。「バックスはスローフォワードなしでいこう」と土橋コーチからも声がかかる。フォワードは4梁、ポジションをNo.8に変えた千布を残してガラリと入れ替わる。バックスは10田村に替わって19筆谷、13衛藤、14小澤に替わり20石井、21笹井が入った。集合したところで吉田監督がアドバイスする。「みんなわかっていると思うが、中央大に取られた2つのトライは各々のタックルミスだ。自分のゾーンに入ったら手に頼らず身体を当てにいけ。1対1のディフェンス、まずそこを修正することだ」とディフェンスに対する引き締めが指示された。後半は、明治のキックで始まった。動きは悪くない。ディフェンスが果敢に仕掛けていく。しかし前半から通して、強く当たっていく分、ペナルティが多い。9分には、20石井が負傷して、13衛藤が再びグラウンドに戻った。11分、自陣でのペナルティから左に展開されてトライとゴールを奪われ31-19とされる。しかしその後は後半から入った7前田がキッチリとトライを返し、19筆谷がゴールを決め38-19として、さらに37分に6千布がモールから押し込んでトライとゴールで45-19。ロスタイムには5古屋がパワーで持ち込みトライして19筆谷がゴールを決めて52-19と点差を広げてノーサイドとなった。前半の強さに比べるとややミスが目立った後半だったが、ゲームとしてはいい流れを作ることができた。




「次のゲームに活かすべきこと」
Aチームの試合後に行われたBチームの試合でもフォワードが力強さを発揮して開始早々に、3南、1茅島らがトライを決めて12-0とリードする。その後もスクラムからモールを押してトライを決めるなど前半を26-0で折り返しながら、後半は中央に得点を許し、38-12でゲームを終えた。まだまだディフェンスやミス等、課題は残るゲームであったように見えるが、5月の状況としては「強さ」「当たっていく感触」など多くの実践的な感覚が刷り込まれていく。試合後に吉田監督はAチームの選手たちにこう話している。「お疲れさまでした。今日の試合、前半に各々のタックルミスが続きディフェンス網を破られて得点された。これが大事なところだ。次はディフェンスをしっかりやっていこう。来週は大東大との試合だ。今日みたいなタックルだと簡単にトライに持って行かれるぞ。各々が意識してディフェンス力を上げることが大事になる」と修正点を指摘している。Bチームの試合が終わる頃には、まだ5月であることを思い出させるように、辺りはすっかり気温が下がっていた。試合観戦をしながら、松葉杖を手に、盛んに身体を動かしていた名嘉が復帰してくれば、さらに攻撃にも幅が増してくるだろう。今週末の試合も見逃せないところだ。15日の富士ゼロックスとの練習試合に続いて、大東大との試合は、16日に熊谷で行われる。


(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)
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