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特集:VOL.29「大学選手権1回戦に勝利する」

2009/12/21

日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.29
「大学選手権1回戦に勝利する」

12月20日、全国各地で第46回全国大学選手権がスタートした。明治大学は、熊谷ラグビー場で拓殖大学と対戦、14時のキックオフとなった。晴天とほぼ風のない天候に恵まれた試合は、19-12と拓殖大学に勝利した。大差をつけての快勝とはいかなかったが、負ければ終わりの大学選手権で確実にひとつ前へ進んだ。

第46回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 1回戦
明治大学 vs. 拓殖大学
○19-12●

2009.12.20 熊谷ラグビー場
「試合前のサブグラウンド」

 選手たちがいつものようにサブグラウンドでアップを始めた。アップを見守る吉田監督に試合前のミーティングの様子を聞いてみた。
「選手たちには、先日の早稲田戦を思い出して自分たちのゲームをしっかりとやろうと話しました。一人一人が責任を持ってひたむきに自分のプレーに集中して、ひとつひとつのプレーを大事にしようということです」。
 プレー面でのアドバイスは、シンプルなものであったようだ。1対1にこだわっていくこと、フォワードが圧倒してボールを確実に取っていくこと、ボールを継続させていくことの3つのポイントを話したという。スターティングメンバーについても話を聞いた。
「今日の試合では、茅島、山口らが怪我で出ることができません。フォワードでは1小暮が入っています。1本目で行ける力のある選手です。バックスでは4年生の11川口が入っています。信頼できる選手です。我々は、早稲田戦でひとつのかたちを出して、その後もやるべきことをやってきました。選手たちの自信にもつながっているでしょう。我々が負けるはずがない」と話してくれた。
 サブグラウンドをいっぱいに使ってアップする選手たちも、自信に満ちているように見えた。

「先取点を挙げた前半」

 拓殖のキックオフで始まった試合、明治大学は陽を背中に背負うかたちで、右から左へ攻める。まずは10田村の低いタックルが決まった。立ち上がりは速いタックルで足の速い拓殖バックスの攻撃を制圧している。攻撃でもパスを回して攻め上がるシーンも目立っていた。8分過ぎ、10田村のキックから拓殖陣内の深いところでラインアウトを得た明治は、2伊吹がスローイングしたボールを鎌田がキャッチした後、西原が切れ込み、最後は素早くパスで伊吹に戻し、左サイドに伊吹がトライを決めた。5-0と先制する。ゴールは惜しくもポストに当たり外れる。その後もモールで押してトライ寸前まで持ち込むなど、ボールを支配する時間も長く、攻め続けていた。いいところまで行って、ペナルティを取られるケースがいくつか続いた25分過ぎ、2伊吹がこの日2つ目のトライを挙げて10-0とした。前回同様、角度のないゴールを10田村が確実に決めて12-0と引き離した。
 34分、明治のペナルティからのプレーで拓殖がトライとゴールを返して12-7として、41分で前半を終えてハーフタイムとなった。

「もっと得点を重ねたい」

 後半が始まっても明治がボールを支配する時間が目立っていた。ディフェンスも拓殖の攻撃を制圧しながら守っていた。攻撃に転じては、オブストラクションなどペナルティを取られる場面があり、厳しいジャッジの印象が強いゲームだったが、要所要所で鋭いタックルで守りを固めて拓殖の攻撃を凌いでいた。21分に6堀江に替わり19竹内が、25分に3小野に替わり17榎が入る。トライ寸前まで攻めながらもミスで得点をすることができないでいた後半、ピンチを脱した34分に、フォワードが攻め上がる攻撃から一転して9秦から早いパス回しで最後は11川口が中央を突破してトライを決めた。10田村がゴールを決めて19-7と勝利に一歩近づいた。2伊吹に替わり16渡部が入る。しばしば、快足を見せていた拓殖13セジュール・ヤカンに大きくゲインされた。42分終了間際、明治陣内の拓殖ラインアウトからの攻撃、17榎がタックルのまま押さえ込んだかに見えたが、拓殖のトライとなり、19-12。ゴールは決まらず、このあと43分にノーサイドとなり、大学選手権1回戦を勝利で飾った。

「次は関西学院大学との対戦」

 試合後の記者会見で拓殖大学の吉田主将は「明治のコンタクトの激しさに自分たちのやりたいことができなかった。攻めることのできる時間が短かった」と話している。このゲームでの明治のボール支配の時間が長かったことを拓殖大学遠藤監督も語っていた。ゲーム前に黒須コーチが話していた「今日の試合では相手バックスを押さえ込むのがポイント」というところは予定通りだったのだろう。

 吉田監督は「大学選手権は負ければシーズンが終わる試合です。今日のゲームは、我々がいままでやってきたことをしっかり前半から出して行こうと話しました。早稲田戦のような強い気持ちで選手が望めるかがひとつのポイント。グランディングするだけのところまで行って、なかなかトライを取らしてもらえなかった。そこでバックスがセットプレーからトライを取ってくれた。バックスが成長したと感じています。大学選手権で勝って、次のステップに進めることはよかった」と話している。西原主将も「7対3で攻めることができた。スコアが取れて勝てたことはよかった。自分たちのミスで点を取りきれなかった」と短く話した。

 早稲田戦からの2週間という時間は、負傷を癒すことができる時間でもあったが、西原主将は「もう1テンポ早くいければいいと思います」とゲームでの感覚について話していた。27日には、同志社大学に38-24で勝利した関西学院大学と愛知の瑞穂ラグビー場で対戦する。

(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)