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特集:VOL.24「筑波に勝てなかった仙台」

2009/11/09

日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.24
「筑波に勝てなかった仙台」

8日午後1時、仙台のユアテックスタジアム仙台で対抗戦5戦目、筑波大学との試合が行われた。明治は、このゲームを落として対戦成績を3勝2敗とした。改めて勝つことの難しさを考えさせられる一戦となった。ゲームは、勝つことにも負けることにも原因がある。明治もこのゲームから見つけられること、得られることがあるはずだ。新たに日本一を目指す1年目、チームはその難問と直面している。限られた時間の中で、それを見つけ出して改善して明治らしいラグビーにつなげたい。

関東大学対抗戦
明治大学 vs. 筑波大学
●24-43○

2009.11.08
ユアテックスタジアム仙台
「落とせない一戦に臨む」

 11時にスタジアム入りした選手たちは、試合の準備を進めていた。それぞれが体を伸ばしたりしながら、アップまでの時間を過ごす。12時にロッカールームでミーティングが行われた。試合開始1時間前である。
「しっかり勝って帰ろう。いままで築き上げてきたラグビー、我々のラグビーに自信を持とう。筑波のラグビーは分析してきた。ブレイクダウンをしっかり、テンポのある攻撃で、勝負していこう。最後に気持ち。気持ちをリラックスさせて、フィールドではプレーに集中すること。我々には筑波を倒す実力がある」と吉田監督。
 このあと室内練習場でアップが行われ、暖まって来たところでフィールドに出てアップが続けられた。ユアテックスタジアム仙台は、設備の整ったきれいなスタジアムだった。両校の校歌が流れる中、アップは続けられた。日差しのあるところは暖かだが、日陰に入っているとひんやりと感じる気候となっていた。
 アップが終わりロッカールームに再び集まり、紫紺に着替えた選手たちを前に土橋コーチが戦術の確認をした。そして「絶対にあきらめない。絶対に歩かない。明治は絶対に負けない」と檄を飛ばした。吉田監督も「ボールを持って走る。前に出る。立ってプレーしよう」と声をかけた。
 負けられない一戦、落とせないゲーム、西原主将を中心に選手たちも強い気持ちで臨んだ試合が始まろうとしていた。ロッカールームから選手たちがフィールドに向かった。

「あっさり奪われたトライ」

 筑波のキックオフで試合が始まる。明治は正面右から左へ攻める。午後の陽を背中に背負うかたちになる。日向に向かって攻め上がっていこうという開始早々の2分に、筑波にパスで左に展開されてあっさりとトライを許す。ゴールも決まり0-7と先制された。6分に筑波のオーバーザトップの反則から、10田村がペナルティゴールを決め3-7と詰めた。しかし、12分に再び筑波にパスから展開されてトライとゴールを奪われ3-14、17分過ぎには、ゴール手前で明治のペナルティからスクラムとなり、そのまま押し切られるとトライとゴールを決められ3-21。33分にはラインアウトから、モールを押されてトライとゴールを奪われ3-28と点差が開いていった。この間、明治はラインアウトが取れず、ノックオンで攻撃の機会を逸し続けた。40分過ぎ、スクラムからボールをつなぎ、14斉藤が外に走って右サイドにようやくトライを返す。難しい角度のゴールを10田村が確実に決めて10-28で前半を終えた。
 あまりにもあっさりと奪われた4つのトライとミスが目立った前半だった。ロッカールームでは、それぞれが前半を振り返り、後半の役割を確認しあった。「ここで負けたら次がない、絶対に勝ちたい」そんな気持ちが心を過っていたかもしれない。

「気迫を出しきれなかった後半」

 後半、追いつけないゲームではない。どこで流れをつかむことができるか。ひとつひとつのプレーがそのキッカケとなるはずだ。4分過ぎ、筑波に大きく攻め込まれ自陣でのディフェンスに終始する。この一連のプレーから6分過ぎ、筑波がオフサイドを取られ筑波12渡邊が10分間の退場となった。7分過ぎに4渋谷に替わり18友永が入る。何とか流れをつかみたいところで、またしてもミスからピンチを招き、筑波にペナルティゴールを決められて10-31となった。
 11分過ぎに10田村が相手の動きをよく見ながらパスフェイクからディフェンスを抜き去り、トライとゴールを決めた。17-31、そこに2トライ、2ゴール差が見えた。12分過ぎ、9秦に替わり20下村、2鈴木に替わり16伊吹が入った。この後、流れは明治にあるように思われた。しかし、ラインアウトがもうひとつ決まらず、攻めきれない。25分にはラインアウトが決まり攻め続けるが、なかなか突破できない。28分にようやく10田村から外に振ったパスをフォローしていた14斉藤がインゴールに運びトライ。ゴールも決めて24-31と筑波に迫った。しかし明治の追撃もここまでとなる。この後、続いたミスからつかみかけた流れを手放すことになる。34分に筑波がトライとゴールを決め24-38とする。35分に15石丸に替わり22猿楽、6三村に替わり19堀江が入るが、その流れを変えることができず、もうひとつトライを奪われ24-43でノーサイドとなった。

「修正して2週間後に臨む」

 記者会見の席で、西原主将、吉田監督とも言葉少なくこの日のゲームを振り返った。「前半は筑波の勢いを止められなかった。チャンスがあったのに自分たちのミスで潰してしまった。少ないチャンスを活かしきることができなかった」と西原くんはその原因を語った。「慶應の敗戦から学んだことは大きかった。それを活かした自分たちのラグビーをやろうと準備してきたが力を出しきれなかった。これだけミスをしては自滅と言わざるを得ない。フェイズプレーを重ねてテンポよく攻めることができず、そのまま最後までいってしまった」と吉田監督も語った。
 このゲームを前に、西原くんが体調を崩していたことは報じられていたが、この日は多少熱があったものの主将としてグラウンドに立ち、充分に自分のプレーができたと話していた。このゲームの結果に対して、どんな言い訳よりもしっかりとした分析と改善をしたいという気持ちが伝わってくる気がした。
 チームの対抗戦での優勝は消えたが、残る2試合でやるべきことは見えている。2つの試合で明治らしいラグビーをやりきることだ。ここまで積み上げてきたものをすべて出しきる試合が切望される。対抗戦、帝京とのゲームまでの2週間に可能な限りの修正がなされるだろう。
 そして15日のジュニア選手権慶應戦が、その前哨戦でもある。お互い2勝2敗で迎えるジュニア選手権最終戦もチームが持っている力をすべて出し切って、結果につなげたい一戦である。

(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)