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特集:VOL.22「勝てなかった試合」
2009/10/26
関東大学ジュニア選手権は、リーグ戦も残すところあと2試合。初戦は落としたものの、その後は順調に勝ち星を重ね、決勝トーナメントに向けて好位置につけている。試合を重ねるごとにたくましさを見せ、ジュニアチームのメンバーからは、対抗戦へ出場する機会を得た選手もいるほどだ。充実したチーム状態の中、相手はこれまで白星のない法政大学。勝利への期待はいつも以上に高かった。
前日の夜から降り続いた雨は試合前にはすっかり止んでいた。それでも空は分厚い雲に覆われ、気温は下がったまま。グラウンドも濡れており、キャッチングなどに注意が必要となるコンディションだった。ジュニア戦の前のCチーム同士の戦いでも、ノックオンなどのキャッチミスが両チームともに頻出。スリッピーなグラウンドへの対応力も問われることになるだろう。
そのCチームの試合では、明治が大差をつけての勝利を飾っていた。惜しくもシャットアウトとはならなかったが、このところ勝利が遠かっただけに嬉しい結果だ。これを追い風に、ジュニアチームも3連勝といきたいところだ。現在のジュニアチームなら、絶対にいいゲームができる、負ける気がしない。これは見ている我々が抱いてしまうジュニアチームへの期待の感情だ。
そんなムードの中で、吉田監督は選手たちにもう一度冷静にしかし熱く自分たちのラグビーをやり続けるようにと檄を飛ばした。
「この試合は優勝をするための大切な試合だ。しっかり勝とう。そのために、最初から爆発するんだ」。
ゲームキャプテンの7池島をはじめ、チームの面々に気合いの入った様子がうかがえた。しっかりいつものラグビーをやっていこうという気概が伝わって来た。
試合は法政のキックオフでスタート。両チームとも落ち着いた立ち上がりをみせる。やはりボールが滑りやすいようで、ボールの扱いに苦労する選手が多かった。6分には明治のラインアウトからモールを組み、一気にゲインをしたいところだったが、いつものように押すことができない。膠着した状態が続く中、スコアが動いたのは14分。明治が右サイドを突破。左サイドへバックスが展開し、最後はゲームキャプテンの7池島がトライを決めた。スムースなパスの見事な展開だった。10染山のゴールも決まり、7-0と先制する。
18分には15石丸へのレイトタックルにより、法政のフォワードがシンビン、一時退場となる。このチャンスに攻めたいところだったが、逆の展開になってしまう。法政にラインブレイクされ、右サイドからトライを決められてしまった。ゴールは外れたものの7-5となる。
明治もすぐに反撃。この日、精力的に動き回り、果敢な攻めを繰り返していた13猿楽がパスを受けて右サイドを破り、トライを奪う。10染山がまたもゴールを決めて14-5と突き放した。しかしこのまま明治ペースとはならない。法政が粘り強いディフェンスで食い下がり、32分には隙をついたバックスの突破から、トライを決められてしまう。ゴールは決まらなかったが14-10とされる。
この日の明治は、スクラムやモールなど、得意としているはずの場面で相手を圧倒できないことが多く、試合のペースをしっかり掴めずにいた。攻勢の起点となるものを見いだせないまま、前半は過ぎていく。38分には法政が再び個人技からラインブレイク。14—15と逆転され、そのままのスコアでハーフタイムとなった。
エンドを替えた後半は、明治キックオフでのスタートだ。開始前、吉田監督からはいくつかのポイントが示されていた。接点でのマークのズレや、サポートのスピードなどだ。そして最後には「キレイにラグビーをやろうとすると、こうなるんだ。相手をたたみかける。それができないと主導権をとることができない」これまでも様々な課題を修正してきただけに、後半の明治の爆発に期待がかかる。
そうして開始早々の7分、明治が再逆転に成功する。10染山の右サイドへのキックパスを15石丸がキャッチ。そのままインゴールへ飛び込み、トライを決めた。正確なキックと的確な状況判断がなせる、ファインプレーだった。ゴールはならなかったものの19-15とし、明治の時間帯となるかに思えた。
ところが、法政の粘り強いディフェンスや体を張ったプレーが目立つ時間が続く。12分には11木村に替わって21安部が入るが、状況は変わらない。そして14分、法政が再びトライを決めて逆転。19-20とされてしまう。
15分には再びメンバーチェンジ。6榮長に替わって19笠原が入ると、直後の16分に10染谷のハイパントから法政陣内に攻め入り、左サイドへ展開。最後は12溝口がトライを決め、24-20と再逆転。シーソーゲームの様相となる。突き放したい明治は、相手陣内でのラインアウトからのモールを組みトライを狙うが、得点に結びつけられない。その後もペナルティやミスから攻撃機会を逸する展開が続いた。そして25分、明治陣内でターンオーバーした法政がサイドへ展開しトライ。24-25となってしまう。
29分には負傷した10染山に代わって20筆谷が入るが、31分、法政が左サイドを個人技で突破。連続トライを許し24-30と突き放される。ここから、明治は反撃を開始。1トライ1ゴールでの逆転を目指して法政陣内で奮闘するも、なかなかゴールラインを越えることができない。スクラムやモールでの圧倒を見せることもなく、攻め手を見出せないでいるようだった。最後は、スクラムのペナルティをとられてしまい、ノーサイドとなった。
試合の主導権を掴みきることができないまま、ゲームに敗れたこの試合、選手たちもとても悔しいに違いない。西原ヘッドコーチは語る。「セットプレーの精度が良くなかったな。けど、悔しい試合だった」。大川コーチも続けた。「つらい練習をした時のことを思い出すと、こういう試合結果は悔しくなる。このメンバーでラグビーができるのもあと少し、一瞬一瞬、時間を大切にしていこう」。
そして最後に吉田監督は選手たちに言った。「今日で勝つことの難しさを学べたはず。この試合は、負けたんじゃなくて、勝てなかったんだ。相手が早稲田や帝京じゃなくても、どんな相手でもがむしゃらに自分たちのラグビーができるか。それが王者になるために大事なことだ。今日のことは絶対忘れてはいけない。笑ってラグビーを終えるために」。
悔しい結果となった今日の試合。しかし、大切なことを学ぶこともできたはずだ。ジュニア選手権は11月15日の慶應戦を残すのみ。何としてもジュニアチームに、自分たちがやってきたラグビーを出しきってもらいたい。そして、週末には、対抗戦の慶應戦が待っている。
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