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特集:VOL.21「対抗戦、立教に勝利し3勝目」

2009/10/19

日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.21
「対抗戦、立教に勝利し3勝目」

厚い雲に覆われた熊谷ラグビー場で、対抗戦3戦目となる立教大学戦が行われた。多くの明治ファンが、大きな得点差での勝利を期待した一戦は、拮抗した緊迫感のあるゲームとなった。「やってきたことをしっかりと出していく」というスタンスでゲームに臨んだ明治は、接戦となったゲームの中で自分たちのラグビーにこだわりながら修正点を見出して、勝利をつかんだ。

関東大学対抗戦
明治大学 vs. 立教大学
○24:5●

2009.10.17
熊谷ラグビー場
「80分間、集中して高いパフォーマンスを」

試合の前に吉田監督は選手たちに「今日のゲームは、我々がこだわっているラグビーを80分間貫くこと。試合では、自分たちがやって来たこと以上のことはできない。一人一人、パフォーマンスを高いレベルで実行しよう。それには一人一人の集中力と実行力が必要だ。決して受けの姿勢にならずに攻めの姿勢を持ち続けよう」と話した。
 選手たちは、いい緊張感を保ちながらも、リラックスした面持ちでアップのためにサブグラウンドへと向かった。今シーズン2度目の熊谷である。サブグラウンドで選手たちを見守る土橋コーチに、この日のチームの状態とゲームでの目標を聞くと「状態はいいです。今日のゲームでしっかりと力を出しきって次のゲームにつないでいけるといい。バックスには、まだまだ課題もある。22mに入ったら一気にインゴールまで走るようなトライを取ってもらいたい。ここら辺をしっかりとやっていきたい」と答えてくれた。
 アップを終えた選手たちがロッカールームから紫紺のジャージに着替えてグラウンドへと向かった。監督とコーチ陣が選手を送り出して、キックオフの笛を待った。

「膠着した前半の修正点を見出す」

 正午に立教のキックオフで始まった前半、両チームが正面からぶつかり合うゲームは、立ち上がりの10分を経過しても膠着した状態でお互い攻防が続く。この膠着は、ミスや相手を受けてしまった結果ではなく、やってきたことを出していこうとする中で、なかなかやりたいようにやらせてもらえないという印象に映った。ディフェンスはしっかりと当たっているので、攻められてもしっかりと守っていた。28分過ぎにもキックでゲインされて、ラインアウトから「あわや」と思わせるシーンがあったがそこも守りきった。37分過ぎ、立教がパスをつないでキックチェイスで明治陣内に攻め込んだ。ここからの攻防で41分にラインアウトからトライを奪われ0-5と先制されて前半を終える。
 選手たちが引き上げて来たロッカールームでは、主将・西原を中心に、盛んに前半の自分たちのプレーと立教のプレーが話し合われ、このゲームでの修正点を見出していった。土橋コーチ、黒須コーチからプレーの指示が出る。選手たちが、その意図を理解するのがわかった。吉田監督からもプレーの選択とやるべきことが伝えられた。スコアボードに一喜一憂するスタンドとは裏腹に、ロッカールームは静かに淡々と自分たちのラグビーを見つめる時間が過ぎていった。「よし、勝ちにこだわろう」、主将・西原の声を合図に選手たちは、後半のグラウンドに向かった。ロッカールームでの選手たちに焦りはない。負ける気がしない、そう思わせる雰囲気だった。

「自分たちのラグビーのこだわる後半」

 明治のキックオフで後半が始まった。後半も明治は自分たちのラグビーを追求する。4分、審判がアドバンスを出す中、明治のプレーが続く。9秦から出たボールをバックスがつなぎ、最後は11斉藤が左サイドにトライを決める。難しい角度からゴールは外れたが、5-5と並んだ。ようやくパスがつながり始めた10分、バックスのパスがきれいにつながり、15呉が左サイドにトライを決める。10田村のゴールも決まるかに思われたが外れて10-5となった。13分過ぎの自陣のピンチには9秦も果敢にタックルに行く。前半に低く速いタックルが目立っていた立教だが、その印象を払拭するような明治のプレーが目立ち出した。
15分、10田村に替わり21染山が入る。19分には、ラインアウトからスクラムで押して、5名嘉がトライ。21染山がゴールを決めて17-5とした。ここで1松浦に替わって17小野が入る。31分には、2鈴木に替わり16伊吹が入る。4鎌田が立教のディフェンスを引きずって前へ出るシーンが印象に残った。33分、立教がハンブルしたボールを7西原が奪い取り、ハーフウエイライン近くから一気に駆け抜けてトライ、21染山がゴールを決めて24-5とその差を広げる。37分、4鎌田に替わって18池島が入る。最後まで集中を切る事なく、自分たちのラグビーにこだわった一戦はノーサイドを迎えた。

「次につながる収穫あるゲーム」

 試合後、クールダウンのためにサブグラウンドに向かう途中、榎くんは「走っていたのに、走った気がしなかった」と話した。この言葉が、この日のゲームを物語っていた。記者会見で吉田監督は「立教がすばらしかった。思った通りのラグビーをやられていた。明治のプレーをよく研究して、攻撃に転じたところを芽のうちにつぶされていた。立教大学はハマったと表現されているかもしれませんね。我々はやってきたことをしっかりと出そうとしたが、立教がいいラグビーをやって、なかなか我々のペースがつかめなかった」と話している。プロップ陣のなかでも運動量のある榎くんが走らせてもらえなかったと感じたのは、この低く速いタックルを真っ向から受けてのことだったのだ。
 主将の西原くんも「こちらの分析負けです。相手のかたちが変わっていたのにこちらがハマった。後半、修正して戦ってスコアで勝ったが、気持ちいい勝ちとは言えない。気持ちの面でも向こうが上でした。それを見習わなくてはいけない」と自分たちのゲームを振り返る。
 監督、主将とも3連勝しながらも、自分たちの現在の力を見据えて次の試合に備えていた。今年の明治が、チャレンジャーであることを忘れてはいけない。試合後に吉田監督は選手たちに、ひとつだけ問題提議をしている。それはゲームの中での「修正力」だ。「今日のゲームではハーフタイムを挟んで修正して戦ったが、それを前半のゲームの中でやれるようにならなくてはいけない」と吉田監督は話している。週末には、法政とのジュニア選手権、そして翌週には慶應との対抗戦の行方を左右する一戦が待ち構えている。楽しみに待ちたい。

(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)

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2009-10-17 立教大学 ○ 24-5 ●