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吉田義人監督インタビュー「勝つための準備」

2009/10/01

 ジュニア選手権で早稲田大学を相手に、すばらしいゲームで明治大学が勝利した翌日、都内で吉田監督にお会いした。強敵中の強敵である早稲田にナイスゲームで勝利できた要因は何だったのだろうか。次の対抗戦を目前に控え、監督に話をうかがってみた。

 「ジュニア選手権初戦の関東学院戦での敗北で、選手たちは危機感を持ってくれた。この事がよかった。今回は、初戦の試合に『フワッ』とした感じで入ってしまった状態から、しっかりと試合に勝つ事を意識して臨めたのがよかったのだと思う。初戦のあと、充分に準備をしてきたことを出しきる事ができました」と吉田監督。

 試合の様子を見て気づくのが、主将の西原くん、副将の山口くんがウォーターボーイをやっている姿だった。昨年までは1年生がやっていた役割を4年生に代えたのは監督の意向だったのだろうか。
 「あれは主将の西原が申し出ました。自分たちの試合で4年生がウォーターボーイをやってくれた事に助けられた。今度は自分たちがジュニアチームの力になるべきだと。試合に出ない選手がウォーターボーイとしてグラウンドに入るのは、一般的には社会人でヘッドコーチをやっていれば当たり前のように思えること。キャプテンであれば、実際の戦況を考えるヒントにもなるし、仲間にアドバイスをしてあげることもできる。それがチームにとってどれだけ大きな力になったかは計り知れない」。

 関東学院戦では、八幡山グラウンドでじっと一人、ジュニアチームの試合を見入っていた西原くんには、自分たちができる事、やるべき事の熟知たる思いがあったのだろう。そんな思いは、チームの中に伝播していったようだ。この日、プロップで先発した松浦くんからも監督に申し出があったという。
 「1松浦の先発起用は、本人からの強い要望もあって決めました。もちろん、本人が希望すれば試合に出られるというものではありません。松浦という選手のフィジカル面、メンタル面の成熟を見極めての起用でした。文字通り、この日のキーマンの一人として活躍してくれました」。
 松浦くんは、ゲームの最中にもウォーターボーイを担った主将、副将から「意地を見せろ!頑張れ!行けるぞ!」と再三檄を飛ばされ、奮起して走った。こうした1つ1つの事柄が積み重なって逆転勝利へと結びついた。しかし、ここで吉田流に考えるならば「なぜ勝てたのか?」を突き詰める。
「ロッカールームで彼らに話したのは、勝てた事には原因があるということ。要因と言った方がいいのかもしれないが、負けることに原因があるのと同じように突き詰めるべきなので、あえて勝てた原因といいたい。我々はジュニア戦初戦の負けを真摯に受け止めて、素直に認めて改善に取り組んできた。それがあったから強い早稲田に勝つことができた。それが試合の準備であり、勝つための準備。選手たちも準備をして試合に臨む事の重要性を知ることができたと思う」。

 春の練習試合では、完敗した早稲田大学ジュニアからの勝ち星は、チームに活気と大きな自信を与えたはずだ。全試合を勝って大学日本一を目指すと言った吉田監督の言葉には、対抗戦だけではなくすべての公式戦を勝つ事の意義と意味を感じる事ができた。週末の対抗戦の試合を楽しみに待ちたい。

(取材・文/遠藤一樹 写真/福田喜一)