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特集:VOL.17「ジュニア選手権開幕」

2009/09/22

日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.17
「ジュニア選手権開幕」

関東ラグビーフットボール協会が主催する公式戦、関東大学ジュニア選手権が開幕した。かつてあった出場選手への明確なレギュレーション(公式戦への出場数など)はないものの、その設立意図をくんでBチームを主体にジュニアチームを編成した明治。チーム全体の底上げや実戦経験の蓄積はもちろんだが、この大会の最大の目的は「勝つこと」にほかならない。「今シーズンは公式戦を全勝して優勝する」という明治の決意を示すためにも、この初戦はぜひとも勝利で飾りたいところだ。夏が戻ったような強い日差しの昼下がり、多くの観客が訪れる八幡山グラウンドで、関東学院大学との開幕戦が行われた。

関東大学ジュニア選手権
明治大学 vs. 関東学院大学
●19―34○

2009.09.20
八幡山グラウンド
「ペースをつかめなかった前半」

選手全員で列を作り、拍手とともに出場メンバーを出迎える明治。観客席からも調子を合わせた手拍子と歓声が上がり、いかにも公式戦らしい、華やかな雰囲気に会場が包まれる。出迎える選手たちの間を通って、勢いよくジュニアチームのメンバーがグラウンドに登場した。相手チームの関東学院も列を作ってメンバーを送り出し、大いに盛り上がる八幡山グラウンド。好ゲームを期待させる試合前のシーンだった。
試合は関東学院のキックオフでスタート。それほど強くはないものの、風下のサイドであったことも影響したのか、明治は慌ただしい立ち上がりとなってしまう。うまく試合のリズムに乗れない、そんな雰囲気がチーム内に漂い始めた矢先の前半3分、関東学院にトライを奪われてしまう。0-5とリードされる。自陣でのマイボールラインアウトをターンオーバーされてのことだった。あまりにも早い失点に、うまく切り替えることができない。明治のキックからゲームが再開するも、ブラインドとなった明治の右サイドを突破され、一度もプレーが切れることなくそのまま2つ目のトライを決められてしまう。0-10となった。
どうにかしてリズムが作りたい。その糸口となりうる場面が出たのは前半8分のことだった。関東学院ボールでの、この試合初めてのスクラムだ。組み合ってから一気に押す。この試合で初めて見ることができた明治らしいシーンだった。強く重いスクラム。これを糸口に明治はリズムを刻み始める。関東学院サイドでのプレーの機会が増え、パスもスムーズに繋がり始めた。そして前半10分、敵陣でのマイボールスクラムのチャンスを得る。ところが、ペナルティを犯してしまう。プレーの精度。この試合、明治は常にこの問題をつきつけられる展開となる。
前半13分には、自陣でのマイボールスクラムからキックをブロックされ、そのまま関東学院に3つ目のトライを許してしまう。0-15。つかみ損ねたリズム。その代償は大きく、前半18分には、再びマイボールラインアウトをターンオーバーされ、そのままトライを奪われる。3本連続で失敗していた関東学院のゴールも決まり、気づけば0-22と得点差をつけられていた。
このままずるずる点差をつけられている訳にはいかない。粘り強く敵陣に攻め入り、マイボールのスクラムを手に入れた明治。8古屋のサイドアタックからポイントを作り、最後は5渋谷のトライが決まる。10染山のゴールも決まり、明治がようやく7点を返した。7-22、前半24分のことだった。
ところが、このまま一気に反撃とはならない。逆に関東学院が明治のミスやペナルティを足がかりに効率的なオフェンスを展開。ともに関東学院ボールのラインアウトをきっかけに2トライ1ゴールを決め、前半終了時には7-34と大差をつけられてしまった。

「後半に巻き返せ、逆転勝利を狙う」

後半は風上に立つ明治。逆転するために吉田監督からは2つのポイントが指示された。1つ目はブラインドサイドのディフェンス。関東学院の狙うこのサイドを、ウイング中心にケアするように修正する。そして2つ目はオフェンス。チームでまとまってフェーズプレーをするために、プレーの選択を正しくすることが求められた。
27点差をひっくり返すための40分間が始まる。開始時には3名の選手交替が行われる。16大澤、20下村、22斉藤がIN、2渡部、9津久井、14笹井がOUT。
立ち上がり、明治はフォワードの力を生かした攻めを展開していく。モールで押し込むシーンや、ブレイクダウンからのターンオーバーなどが見られるようになっていった。後半は明治がゲームをコントロールしているようだ。このあたりの課題を修正する力はさすが。新生明治のチームとしてのまとまりを見ることができるのではないだろうか。後半8分には、さらに選手を交代。18竹内、19池島が、6堀江、8古屋に替わって入った。そして後半12分、22斉藤が走力を生かして、中央でラインブレイク。18竹内と繋いでトライを決めた。10染山もゴールを決め、14-34とする。その後も明治はリズムよく試合を運ぶ。関東学院が後手に回る場面が増え、ペナルティを重ねるようになる。後半22分には3小野に替わって17神田が入る。敵陣深くでのマイボールラインアウトのチャンス得た明治は、そのままモールへと繋ぎトライに成功。ゴールは外れるものの、後半に入って連続得点を決め19-34とする。そして25分には、明治が右サイドをラインブレイク。トライまで行くか見えたが、パスがスローフォワードをとられてしまう。今日の明治を象徴するような場面だ。最後のところでプレーの精度に甘さが出てしまう。
その後は一進一退の攻防となる両チーム。残り時間が10分を切り、関東学院は時間のマネージメントを考えたプレーに切り替える。後半、息を吹き返した明治のフィフティーンにも疲れが見え、優位に進めていたスクラムも精彩を欠いてしまう。そして後半ロスタイム、マイボールスクラムをファールで失ってしまったところでノーサイドの笛。後半の出来を考えると、前半の立ち上がりの悪さが悔やまれる試合となってしまった。

「この敗戦を次ぎに生かすしかない」

試合後「後半だけを見れば勝てたけれど、プレーの精度は断然向こう(関東学院)が上。そこを上げていかないといけない」と西原ヘッドコーチ。後半の動きが良かっただけに立ち上がりの悪さが残念だが、そうも言っていられない。大川コーチは率直な危機感を選手に伝えた。「このままだと、下手したらまた負ける。立ち上がりの悪さは前から言われていたこと。徹底した分析と話合いをしなければ、繰り返してしまう。徹底的にやろう」。吉田監督は勝利への執念を選手たちに改めて伝えた。
「本当に悔しい。公式戦は全勝して優勝を目指していた。新しい明治を期待して、今日は沢山の人たちが応援してくれた。それを背負ってプレーできたのか?」と選手に厳しく問いかける。そして最後に吉田監督は「立ち上がりが悪かったかもしれない。でも、後半やってくれると思った。ある程度は出来たかもしれないが、負けた。甘さがある。その甘さを無くすために、ラグビーをとことんやろう。とことん話してとことん分析しよう。とことんやらなきゃ試合には勝てない」と話していた。
プレー精度やゲームへの入りかたなど、課題を残した開幕戦となった。ジュニアチームは、この敗戦を糧として、翌週の早稲田戦に臨むことになる。

(取材・文/田口悟史 撮影/福田喜一)

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2009-09-20 関東学院大学 ● 19-34 ○