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特集:VOL.16「初戦を勝利で飾る!!」
2009/09/14
9月12日土曜日、ついに関東大学対抗戦が始まった。初戦は、日本体育大学、昨シーズン負けている相手との対戦だ。昼に降った雨がやんだ横浜のニッパツ三ツ沢球技場に、この一戦を待つファンも集まり始めた午後2時過ぎ、ロッカールームでのミーティングを終えた選手たちが、アップを開始する。曇空を吹き飛ばすような戦いを期待するファンや部員たちが見守るグラウンドに選手たちが現れた。
午後2時20分、アップがスタートする。いつも通り、ゆっくりと体を伸ばしていく、体が温まるにつれて緊張は解けていくように見えたが、選手もスタッフも公式戦初戦に緊張の色がうかがえた。
スタンドには、部員たちがネクタイを締め、ジャケットを着た姿で応援にやって来た。グランドに現れた吉田監督も「いい緊張感ですよ」と引き締まった表情を見せていた。5分前、ロッカールームから選手たちがグラウンドへと向かった。校歌が流れるグラウンドに立つ選手たちの中には、夏合宿前のスコッドに入っていなかった1茅島、3城、18渋谷の姿があった。この夏の間、積み上げてきた練習が成果となってここに立っていた。選手たちの表情からは「最後までやり遂げる」ことを貫いてここにいるという気概がうかがえた。円陣で気合いを入れた選手たちがグラウンドに広がってゆき、いよいよキックオフを迎えた。
明治のキックオフで試合が始まった。緊張するグラウンドでは、開始早々、明治のノットリリースザボールで、日体大のペナルティキックとなり、ペナルティゴールを狙うがゴールを外した。立ち上がりの時間帯に先取点が欲しいところなのだ。この日の立ち上がりは、日体大の速い攻撃もあり、受けるかたちで攻防が続いてしまった。ラインアウトからのパスがうまくつながらなかったり、ハンブルからノックオンとなってしまったり細かなミスも続いた。21分、日体大のレイトチャージからペナルティキックを得た明治は、10田村がペナルティゴールを決め3-0とようやく均衡を破り先取点をあげた。24分過ぎには日体大がドロップゴールを狙ったキックで明治陣内に攻め込み、ゴールライン手前のスクラムからトライして、ゴールも決めた。ここで3-7とリードを許す。29分、日体大陣内でのスクラムから8杉本が右サイドに持ち込んでトライを返す。ここは練習通りの動きと思えるトライだった。角度のない難しいゴールを10田村が決めて、10-7と再びリードした。38分には明治のオブストラクションから、日体大がペナルティゴールを決め10-10の同点とした。このままハーフタイムを向かえる。いつもの力が出しきれていない、と感じる前半となった。吉田監督は「やりたいラグビーができていないだけです」と呼びかけに応えていた。ロッカールームからは「ボールを持ったら前へ出よう。相手に当たっていこう」という監督の声が聞こえた。西原ヘッドコーチも「前へ出よう。シンプルにいこう!」と選手たちをグラウンドに送り出していた。
後半は、2伊吹に替わって16鈴木が入った。日体大のキックオフで後半が始まった。3分過ぎに、ラインアウトから左に攻め上がった日体大に、明治はオフサイドの反則を取られて、ペナルティゴールを奪われた。10-13と再びリードを許した。その後もパスミスや反則でなかなか思うように攻めきれない。12分過ぎ、3城に替わって17榎が入った。19分過ぎになって、ようやく前へ出るプレーが目立ってきた。20分に9金澤に替わり20秦が入った。24分にはキックチェイスから大きく前へ攻め込むが得点には至らない。26分、5友永に替わり18渋谷が入った。28分、日体大陣内に攻め込んでのスクラムは、何としても得点につなげたいところだった。「ここで取りきれ!」と誰もが思った29分、20秦から出たボールは6三村につながりゴールポスト近くにトライを決めて逆転した。10田村もゴールを決めて17-13とした。ここからようやく本来の弾けるようなラグビーが展開される。33分には、日体大に激しく攻め込まれたがキッチリと守りきっている。37分、ドライビングモールからトライを狙ったところに日体大が耐えきれずオフサイドして、ペナルティトライが認められ、ゴールも決まり24-13と引き離す。日体大はこのペナルティでシンビンを取られた。40分には、20秦がうまく処理したボールが7西原につながり、50メートルを爆走してトライを決めた。ゴールも決まり31-13。ロスタイムにも日体大陣内でボールにチャージして、最後は17榎がトライを決めた。ゴールも決めて38-13として、ノーサイド。この夏に積み上げて来たSPARQ RUGBYが終盤に炸裂したゲームだった。選手たち、監督、コーチ陣、スタッフの誰もに笑みがこぼれた。明治は開幕戦で大きな勝利を手にしたのだった。
吉田監督は、試合後行われた記者会見でこの日の試合を振り返った。
「前半は日体大の鋭い攻めに受けに回ってしまいました。ハーフタイムに選手たちに伝えたのは、ボールを持ったらとにかく前へ出よう、体を当てていこうということです。後半は一人一人のディフェンスがきちんとできていたので前へ出ることができた」と語った。
金澤くんと秦くん交替の記者からの質問に対しては「たとえれば、フレッシュな血を入れたかった。主将の金澤ももちろんきちんとゲームを組み立てられる選手だが、秦を入れることで流れを変えたかった」と答えている。
吉田監督になって最初の公式戦を勝利で飾ったことは、大学選手権優勝を目指して前に進む明治にとって実に大きい成果だといえる。
「自分たちのミスをなくしていくこと。もっと精度を上げていけば改善できる。選手一人一人が意識してやっていかなくてはならないことだが、我々も改善していくための指導が必要だと考えている」とこの試合での反省点を話して記者会見を締めくくった。
夏の間、鍛え上げてきた走力を見せた後半の攻めは、「練習でやってきたことしか出せないスポーツ」という吉田監督の言葉を裏付けるものだった。明治の矜持を取り戻すための第一戦を勝利し、次に備える。週末は、八幡山でJr.選手権の初戦が行われる。この試合も見逃すことができない。
関連
| [ラグビー] [2009-09-12 対 日本体育大学戦] |
関連試合
2009-09-12 日本体育大学 ○ 38-13 ●
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