特集:VOL.30「大学選手権2回戦を勝ち抜く」

2009/12/28

日本一を目指す「明治大学ラグビー部、前へ」VOL.30
「大学選手権2回戦を勝ち抜く」

12月27日、名古屋市瑞穂公園ラグビー場で行われた大学選手権2回戦は、12月とは思えないような暖かな晴天に恵まれた。風も微風のコンディションだ。この日の対戦相手は、関西大学Aリーグ1位で、先週、同志社大学に38-24と勝利した関西学院大学。関西では、強いフォワードが評判の得点力と勢いのあるチームだ。明治はその関西学院に62-29で勝利して、準決勝の国立のフィールドに立つことになった。

第46回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 2回戦
明治大学 vs. 関西学院大学
○62-29●

2009.12.27
「プライドを持って戦う」

 試合前のアップは、いつも通りサブグラウンドで始められた。遠くから見ても選手たちの様子は、リラックスしたムードに見える。サブグラウンドでのアップは早めに切り上げて、場所をフィールドに移してボールを持ったアップが始まった。一方の関西学院は、大きな声を出してサブグラウンドでの練習が長めに続いていた。
 12時03分、キックオフの笛が鳴った。明治のキックオフで試合が始まった。右から左に攻める明治は、開始4分、関西学院陣内での反則からペナルティゴールを狙い、10田村が確実に決めて3-0と先制する。キックの応酬でエリアマメージメントが続いた10分、自陣の深いところで関西学院のラインアウトからモールで押され、左サイドにトライされた。ゴールは決まらず、3-5となった。
 関西学院のスタンドはおおいに沸いていた。そんな状況の中、明治の選手たちは、冷静にプレーに徹していた。14分、ハーフウエイラインを越えたあたりで9秦から出たボールを10田村がショートパントして自らがキャッチして走り、最後は13衛藤につなぎ、トライを奪った。10田村がゴールを決めて10-5となった。このゲームでの10田村のキックは冴えに冴えていた。試合を通して8つのコンバージョンと2つのペナルティゴールを決めている。精度の高いプレーからは、選手たちの集中力の高さと試合にかけるプライドがうかがえた。

「フォワードを制圧した前半」

 関西学院の強いフォワードからのプレーを制圧して、やりたいラグビーをやらせない、自分たちのラグビーを展開する。この日の明治は、そんな印象を与える戦いぶりだった。26分、明治スクラムのあとのラックから、9秦が左に展開し、パスが10田村から6堀江へとつながり左サイドにトライを決める。難しい角度のゴールも10田村が確実に決めて17-5とした。31分にも9秦からのパスがうまくつながり6堀江が再びトライ、10田村がゴールを決め、24-5とした。36分、10田村が再びペナルティゴールを狙うが、惜しくも右に外れた。しかし、機会があればどこからでも点を取に行けるという明治の攻めの姿勢を示し、相手にプレッシャーを与えることができたのではないだろうか。37分、ハーフウエイラインを超えた、ほぼ中央のラックから出たボールを9秦が10田村につなぎ、田村が右先方に出したキックパスを14居迫が走り込みキャッチしてそのままトライ、10田村のゴールも決まり、31-5としてハーフタイムとなった。

「巻き返しを狙う関西学院」

 このままでは終われないという気迫が感じられた後半立ち上がりの関西学院は、5分にラインアウトからモールで追い込みトライして、ゴールは決まらず31-10とした。この後、流れはやや関西学院にあった。13分には、明治陣内のラインアウトから関西学院のフォワードが攻め続け19小原がトライ、ゴールも決まり31-17とした。この流れを切りたい明治は、18分、この日3度目のペナルティゴールを10田村が決めて34-17とした。ここでペースをつかみ直した明治は、22分、ラックから出たボールを9秦から10田村につなぎ、最後は7西原がパスを受け取りトライ。ゴールも決まり41-17とした。27分には関西学院が再び攻め上がりパスを右に展開しトライを奪う。ゴールは外し41-22とした。ここから明治はトライを返す。30分、関西学院陣内で13衛藤がラックから抜け出してトライ、ゴールも決まり48-22。33分には、9秦から22猿楽、猿楽がボールを運んで2伊吹につなぎトライ。ゴールも決まり55-22。38分に関西学院にトライとゴールを奪われ55-29。40分には、10田村が関西学院のパスをインターセプトしてそのままトライし、ゴールも決めて62-29として、ノーサイドを迎えた。

「次は国立で帝京と対戦」

 終わってみれば大きな点差のゲームとなっていた。試合後の記者会見で関西学院の大崎監督は「強豪明治には、まだ一歩二歩及ばなかった。小原キャプテンを中心に1年間やってきたことは間違っていなかった。関東のチームに勝てるよう頑張っていきたい」と話した。小原主将も「明治の早いテンポとうまさに翻弄されて、やりたいことができなかった。悔しいですが、後半自分たちが信じてやってきたモールが通用して、その点はよかったと思います」と話した。
 吉田監督は「明治として、伝統校として、プライドを持って正々堂々と戦うことを目指した。勢いのある関西学院にやりたいラグビーをさせない。そのために強みであるフォワードと真っ向から勝負をしました」と話した。西原主将は「勝ったことは素直にうれしく思っています。自信を持つこともいい。しかし甘いところもあった。次の試合では、甘いところ弱いところを出さないように臨みたい」と話した。記者からの次の対戦は早稲田、帝京のどちらがいいですか? という質問に吉田監督は「我々はチャレンジャーです。どちらのチームと対戦することになっても我々のラグビーをやるだけです」と答えていた。
 ここまで積み上げてきた「前へ出る」ラグビーを展開して、準決勝進出を決めた明治は、早稲田を31-20で破った帝京との対戦することになった。1月2日、国立競技場で14時キックオフとなる。

(取材・文/遠藤一樹 撮影/福田喜一)